計算機資源とイーサネットポートに余裕のある検証マシン、欲しいですよね?
DeskMini X300なら、その夢叶います。Zen2アーキテクチャに裏打ちされたAMD Ryzen 7 4750Gなら8コア16スレッドのパワーは(良識の範疇で使えば)個人で使う分にはもう無尽蔵の資源と言っても差し支えありません(※逸般人を除く)。
実際のところ、Lenovoから価格コム経由で買うThinkCentre M75q Tiny Gen2のコスパがいいのでそれを買いたいところでしたが納期が不安定でキャンセルしました。注文時に2週間で出荷だったのに、注文後に3か月後はナメすぎ。
さらに言うともうすぐIntel第11世代のRocket Lakeが来て、長年に渡って停滞していたアーキテクチャにテコ入れが入るでしょうからそっち(DeskMini H470)にしてもよかったんですが、年末にいじる時間が欲しかったので買ってしまいました。
DeskMini系マシンで自宅サーバーを構築したり、ESXiを入れている人はそこそこ居るんじゃあないかと勝手に思っていますが、ESXiを使うときにネックになるのがNICの拡張性とも思います。
- ESXi公認のNICじゃないと認識してくれない
- 公認NICじゃなくてもドライバ追加してISO構築すればいける
そんなところは皆さまもご承知のことと思いますが、オウチにESXiを組もうとしているのはある程度はマジメにサーバーとかネットワークを考える方が多いのか、USB接続のNICをESXiに認識させて増設できることはあまり知られていません(私調べ)。
私が使ったUSBイーサネットアダプタはV.TOPというメーカーのもので、デュアルNICで5千円しなかったんですが、今はAmazonでは売ってません。ESXiで使えたとする報告がある別製品もありますが、約8千円ですのでシングルNICを複数使うほうがコスパがいいです。(コレ、ひょっとして中身同じなんじゃあないかなあ・・・)
ちなみに使われているチップはAX88179でしたので、同じものなら上手くいく可能性があります。
[root@hostname:~] lsusb
Bus 001 Device 005: ID 0b95:1790 ASIX Electronics Corp. AX88179 Gigabit Ethernet
Bus 001 Device 004: ID 0b95:1790 ASIX Electronics Corp. AX88179 Gigabit Ethernet
Bus 001 Device 003: ID 2109:8110 VIA Labs, Inc. Hub
Bus 002 Device 002: ID 05e3:0608 Genesys Logic, Inc. Hub
Bus 001 Device 002: ID 2109:2811 VIA Labs, Inc. Hub
Bus 002 Device 001: ID 0e0f:8003 VMware, Inc. Root Hub
Bus 001 Device 001: ID 0e0f:8003 VMware, Inc. Root Hub
以下のページからダウンロード&Instructionsを参考にインストールしてください。私はインストール時のファイルの指定で相対パスを指定してエラーが出て悩んでました、絶対パスを指定しましょう。
そうして実現したのがこの環境です。
実測
あわせて、実際どれだけの速度が出るのかをテストをします。
テストはESXi側のvsub0とvsub1それぞれをポートグループ1、ポートグループ2に個別に割り当て、別マシンと直結してiperfにて行いました。無論、その別マシン側にボトルネックがあるかもしれませんが、そこまで厳密なテストをやるつもりはないのでその信頼性は捨ておきます。
1ポートごとに計測しても2ポート同時に使ってもおおむね860~870Mbps、理論値の8割以上は出ています。少なくとも10秒でも30分回しても結果は同じでした。USB3.0が5Gbpsなのでもう一個同じUSB-デュアルNIC差しても使えそうです。(※購入したV.TOPはUSB3.0→GbE*2+USB3.0が出る)
これから試す人へ
これで「ESXi使いたいけどNICが面倒」という悩みから、ある程度は解放されたものと思います。ひとつ気がかりといえば「DeskMini X300はUSBポートが少ない」ことでしょう。なんせUSB 3.2 Gen1 Type-Aがフロントとリアの2個、USB 3.2 Gen1 Type-Cがフロントの1個しかありません。
その点DeskMini H470は背面だけでUSB 3.2 Gen1 Type-Aが4個もあります、めちゃくちゃです話になりません。(2020年12月現在において、)近い将来に発表されるであろうIntel第11世代、Rocket Lakeでシングルスレッド性能が大幅に向上すれば、コア数や価格設定次第ではH470のほうがより拡張性に優れたモノになるかもしれません。
AMDによるZenでワクワクしたここ数年でしたが、来年からはIntelについても楽しみです。それでは皆様、よいオウチラボライフ、よいお年を。
2021/02/07追記:NICの永続化は忘れずにしような!