シンプルに言うと
- LenovoショッピングでKyashを使ってノートPC(約15万)を買った
- 商品が出荷されるまで毎月2回請求(計30万)引き落とされる
- 多重決済分は返金ではなくKyashポイント充足(60日後に行われる見込み)
- 納期未定のため、放置すると毎月30万クレジットカードからKyashにチャージするところだった
追記(2020/09/01 18:47)
大きな反響があり驚いています。いくつか漏れていた点があるので追記します。
- Lenovoショッピングはプリペイドカードを使うなと言っている
- 私はコレを完全に見落としていました。というのも当時はKyashがプリペイドカードであるという認識がなかったためです(じゃあ何なんだと言われても、雰囲気で使っていたわけですね)
- Lenovoに注文した当時は今みたいな納期未定ではなく出荷の見通しが立っていた
- そういう意味でも不幸な事故という表現をしています
- 私はクレジットカード関連の商習慣に疎いため、”あるべき論”については語る立場にありません(いち利用者としてのお気持ち表明はあります)
- Kyashはカード会社までキャンセル送ってほしいなーとか
- Lenovoはプリペイドカード使うなというなら入力段階でエラー出してほしいなーとか(可否はしらんけど)
はじめに
皆さんこんにちは、お得にお買い物してますか?
クレジットカードのポイント還元だったり楽天リーベイツのようなサイトのポイント還元、更にはKyashなんてありますね。
Kyashの詳細なサービスやビジネスモデル(こっちは詳しくないし・・・)については省略しますが、ようはクレジットカードの前段に置けるクレジットカード、クレジットカードを請求先として設定できるクレジットカードです。
端的に言うと、Kyashを使うと通常のお買い物からさらに1%ポイントが還元されると考えて差し支えありません。
この記事は、そのKyashとLenovoショッピング(に限らず似た挙動をとるシステムすべて)の組み合わせによって不幸な事故が発生したことを紹介するものです。
詳細は記事中で述べますが、両者のWebサイトやサポート窓口の回答の通りであれば発生しないはずの事象です。
しかし両者の言い分が食い違っていて、どちらかの回答やシステムの誤りの可能性があるのではないかと考えています。(私の気づいていない第三の理由を否定するものではありません)
といっても「加盟店とカード会社の言い分が矛盾するのはよくあること」(おーこわ)とも有識者から聞いたこともあり、私はどちらかを特定して糾弾したいわけでもないので事象の共有にとどまりたいと思います。
実際のところ私の泣き寝入りに近い状態ですが、特定するコストを払うまでのやる気はない。
むしろ調べてみて「仕様上のバグ」みたいなものを見つけたようで興味深いので共有する、のが動機です。
おことわり
この記事の内容は正確であるよう努めていますが、金融関連は専門外のため誤りがある場合があります。(特に電文の名称や処理の流れに確信を持てていません)
説明を簡単にするために抽象化している情報があります。
記載内容を何らかに利用する場合は必ずご自身で確認の上ご利用ください。
また誤りがあった場合にはご指摘いただけると大変助かります。
ふつうのクレジットカードのしくみ
ごめんな、Kyashの仕組みとLenovoの仕組みを語る前にクレジットカードの仕組みが前提なんだ。でも調べてみたら興味深かったので書かせておくれ。
ふつうのクレジットカードは以下のような流れで処理が行われます。(ここはいちから調べたので完全でないかもしれませんが、大きな誤解はないはず・・・。)
「オーソリ」とか「売上確定」は〇〇電文とも言われてるらしく、今となっては奥ゆかしさすら感じますね。さて、ここでのポイントは以下の通りです。
- 単に商品を購入するだけでも加盟店からカード会社には「オーソリ」と「売上確定」の2つの電文がカード会社に送られる
- 注文のキャンセルについて、「売上確定」前でも後でも起こりうる(破棄/キャンセル電文って言うらしい)
さらに今回の話題のためにもう一つ図を用意しました。利用者からみてクレジットカード側でどのようなステータスが扱われるかです(支払い済みがないけど本題からはずれるので書いてないよ!)。
Kyashのしくみ
Kyashカード自体はプリペイドカードとして動くようです。処理の流れとしては以下のようです。
※残高不足時に「残高付与→減額」の処理がされていない可能性もあるのでそこも推測が入っています
- 加盟店からオーソリが来る
- Kyash利用者アカウントの残高確認
- 残高が十分なら減額
- 残高不足なら設定した支払いに設定したカードからチャージ(カード会社へオーソリ)
- 推測:Kyashアカウントにチャージされたあたりで売上確定電文が送付されてるはず
- Kyashがキャンセル電文を受け取った場合、Kyashからカード会社にキャンセル電文を送らず、Kyashアカウントにポイントとして再チャージ
この挙動自体はそこまで不自然なものでもないのかなぁといった感じです。(できればカード会社にキャンセル電文を送ってほしいですが・・・)
Lenovoショッピングのしくみ
ここでは商品(ノートPC)が出荷されないケースを考えます。私が遭遇したのがこのケースだからです。(たぶんRyzen7 PRO 4750Uがあまりにも人気なんだろうなあ納期が最低6週間以上だってさ)
Lenovoの特徴は商品が出荷されるまでの間、カードが利用できることの確認のために2週間ごとに購入額でオーソリを出すことです。
KyashをLenovoで使って何が起こったか
ようやく本題、問題は注文から2週間後の2度目のオーソリです。
本来であればLenovoからKyashに対してキャンセル電文が送付され、Kyashからは私のアカウントへポイントが再チャージされるはずです。実際にはその再チャージが行われず、残高不足として支払いを設定しているカード会社に再度オーソリ(と、たぶん売上確定電文)が飛びます。
その結果、カード会社から私の元へPC2台分(30万円)の請求が届きます。Lenovoのオーソリ間隔は約2週間とサポートから聞いているので、商品が出荷されない限り私の元へ毎月30万円の請求が来ることになります。というか来ました(請求のタイミングで月をまたいだけど)。
ここで両者の回答を比較してみましょう。
- Lenovoサポート「オーソリの破棄は送付した」(「破棄」は原文ママ)
- Kyashサポート「当該オーソリのキャンセル電文を受け取っていない」
状況的には、「Lenovoがキャンセル電文を送っていない」か、「Kyashが受け取った電文を処理していない」または第三の理由(なにかあるかな?)です。
じゃあ返金はされないのかというと、おそらくはそうではありません。下記Kyash仕組み(ケース1)に沿って60日後にKyashからポイントが再チャージされるはずです。
ケース1)オーソリ(与信枠確保による減算)の後、加盟店から返金に関するデータが届かない場合
売上確定データおよび返金に関するデータがいずれも届かない場合は購入日より60日程度で残高へ返金いたします。
ケース2)加盟店から売上確定データが到着している場合
加盟店から返金に関するデータが届き次第、残高へ返金いたします。
ケース3) オーソリ(与信枠確保による減算)の後、加盟店から返金に関するデータが届いた場合
加盟店から返金に関するデータが届き次第残高へ返金いたします。
引用元:決済キャンセル・ご返金の留意事項 – Kyash HELP
とはいえ、60日後から2週間間隔でKyashに15万チャージされ続けても持て余してしまいます。というかさすがに毎月銀行口座から30万飛ぶのはヤダ。ということでLenovoに連絡を取り、支払い方法をクレジットカード→銀行振込に変更しました。(本来受け取るはずだったクレジットカードのポイント還元と、振込手数料の損!)
あ、Kyashは便利なんで本当に愛用させてもらってるんですが、こういうときに電話窓口がなくメール問い合わせだけ(返答に実測1週間)ってのはやりにくかったですね。Lenovoの次のオーソリが迫っていたのでKyashからの回答を待たずに(=事実確認ができないまま)支払い方法を変更しました。(結果的に変更して正解だった)
結論
予約商品のような何度かオーソリが飛ぶ可能性があり、高額な商品はKyashで買うとめっちゃチャージすることになるかもしれないからみんな気を付けてくれよな!
コメント
lenovoのサイトのクレカ情報を入れるところに、赤字で、プリペイドカード等は使わないでくださいと書いてあります。(ちなみに私もやりました)
レノボが性急すぎる印象を受けました。災難でしたね。
まさに今月、楽天リーベイツアップのタイミングを狙ってレノボをkyashで買おうとするところでした。
これつまり2週間以内に出荷されるのであれば、kyash使っても買って大丈夫ってことになりますかね。
Kyashは特性的にプリカというよりデビットカードと言ったほうがしっくり気がする…ような?
Lenovoではない別の通販サイトですが、半年以上先の商品を予約したら2ヶ月毎にオーソリ発生してて気付いた時には二重どころか三重請求されてた、という経験があります。
調査依頼したら即返金してもらえたので結果オーライでしたが、
> 引用元:決済キャンセル・ご返金の留意事項 – Kyash HELP
にある「購入日より60日程度」の”購入日”が”請求日”でなくもし”(予約品が発売開始してからの)購入日”という扱いだったら更にややこしいことになってたかも…?
以後「注文時点で請求日が確定しない決済にKyashは使うな」と心に誓いました
◆LenovoとKyash間のやり取りについて
プリペイドカードの場合は加盟店からオーソリがとんだ段階で売上が確定・残高の減額が行われます(売上確定電文によらずに売上を確定する)
そうしなければ、オーソリ電文処理と売上確定電文処理の間に口座残高が減った場合に、店舗に対するプリペイド事業者から支払義務はあるのに、プリペイド事業者は消費者から入金を受けられないリスクが生じるからです。
クレジットの場合は現段階の口座残高によらず、将来的に消費者が支払うかどうかを審査して、危ない人にはクレジットカードを発行しない等で、そのリスクに対応しているわけですが、
プリペイドは即時減額することでそうした審査を省略しているわけです。
※当然、オーソリ取消があれば返金となります。
◆Kyashとカード会社間のやり取りについて
チャージの為のオーソリ電文と同時に売上確定電文も処理され、売上確定されるはずです。
何故なら、ここでオーソリ・決済される商品は、Kyashのバリューであり、LenovoのPC購入とは切り離されているからです。
その為、LenovoのPC購入が発生しなくても、バリューへのチャージ購入が成功している以上、この取引のキャンセルはできないはずです ⇒ その為、加盟店との取引が発生しなかった場合は、Kyash残高での返金となる
こっからは個人的な推測なんですが、Lenovoからオーソリの取消電文は送られてないんじゃないか、という気がしますね。
オーソリ後に売上電文を送らないと、カード会社では自動的にオーソリ枠を取消すことになります(30日-90日後。Kyashの場合は60日後)
そのことを破棄といってるんじゃないかと。その辺も見越してプリペイド使うなって言ってるのかも。
先ほどのコメントに追記ですが、ミソ?は、
Lenovo⇔Kyash間とKyash⇔カード会社間の間の商取引契約やそれに付随する電文は別物(金額は一致していますが)だということですね。
KyashがProxyみたいに動いていると考えればいいかもしれません。
LenovoからKyashにリクエストを送ったときにcache、、ではなくKyash残高があれば、その内容を返して終わり。
kyash残高がなければ、カード会社にリクエストしてGETしてくるという挙動ですね。
ユーザーからは一つのリクエストをしているだけに思えますが、2つのリクエスト・レスポンス関係が独立して存在しています。
同様に、利用者は、LenovoからPCを買おうとしているだけですが、LenovoとKyash間のPC購入に係る商取引契約と、カード会社とKyashの間の(プリペイド)バリューの購入に係る契約と2つが独立して存在しているわけです。その為、前者がキャンセルされても後者はキャンセルされません。
普通の?プリペイド電子マネーは、バリューをチャージするタイミング・金額とそのバリューを使うタイミング・金額が異なるんで、上記の違いが明確なんですが、
Kyashの場合はその2つを同時・同額に行うんで、分かりにくいんですよね。。